NASA（アメリカ航空宇宙局）は現在、1972年以来となる宇宙飛行士の月面着陸を目指しているが、その中に女性も含まれることになった。アポロ計画に続く21世紀の月探査計画「アルテミス」は、早ければ2025年にも人類を月面に着陸させる予定です。
ギャラリー 宇宙から見た美しい地球の写真11枚
その本格的な打ち上げとなるミッション「アルテミス1号」のロケットが、いよいよ8月29日に打ち上げられることになった。これは、月の軌道を周回する無人ミッションです。
ギリシャ神話の月の女神にちなんで名付けられたアルテミスミッションは、NASAとそのパートナー宇宙機関が月への訪問を繰り返し、宇宙への新たな足がかりを築くために打ち上げられたものです。月への長期滞在や火星の有人探査など、より野心的な宇宙開発への第一歩として期待されている。
月着陸は挑戦的で困難な道ですが、科学技術の進歩のための大きなチャンスでもあります。以下に、月へ行くかもしれない計画、技術、人物を紹介します。
アルテミス」ミッションにはどんな宇宙船が使われるのですか？
アルテミス」ミッションの宇宙船は「オリオン」です。オリオン」は、乗組員が乗るカプセル型のクルーモジュールと、その下にあるサービスモジュールで構成されています。クルー・モジュールは、4人のクルーの生命と健康を21日間、宇宙で維持できるように設計されています。サービスモジュールは欧州宇宙機関（ESA）から提供され、太陽電池パネル、生命維持装置、燃料タンク、月軌道に入るためのメインエンジンなどが搭載される予定です。
オリオン」は、高さ98mの大型ロケット「スペースローンチシステム（SLS）」で地球から打ち上げられる。液体水素と液体酸素の混合ガスを燃焼させる第1段には、もともとスペースシャトル用に開発されたRS-25ロケットエンジンが4基使用される予定だ。月への往復無人テスト飛行であるアルテミス1ミッションでは、スペースシャトルで3回以上使用されたエンジンを改修して使用する予定です。
また、ロケットの1段目の左右に巨大な固体燃料ブースターを2基搭載しています。打ち上げ時の総推力は39メガニュートンで、アポロ計画のサターンV型ロケットより15％大きい。宇宙空間に到達すると、下段が切り離され、上段がエンジンを噴射して、オリオンを月へ送り出す。
オリオン」自体は月に着陸できないため、NASAが「アルテミス3号」で月面着陸を試みる際には、クルーは月周回軌道上の「オリオン」から、現在スペースX社が試験中の宇宙船「スターシップ」を改造した月着陸船に乗り換えることになる。
探査を終えたクルーは、スターシップから再びオリオンに戻って地球に帰還する。三角錐の頂上を平らにしたような形状のカプセルは、熱シールドで大気圏再突入の高熱に耐え、パラシュートを開いて海中に降下する予定です。