平均の背後にある数学は非常に単純です。コレクション内の各数値の平均を求める計算をすればよいのです。しかし、平均の計算には問題がないわけではありません。平均の計算式が正しくない場合、計算が思うようにいきません。また、正確でない非常に大きな平均を持つことになります。ここでは、よくある問題と、それを解決するために心がけていることをご紹介します。
平均は正確ではありません。Excelで使用される計算式は、正しい答えを出すのに十分な精度を備えていないことがよくあります。これは、複数のデータセットの平均を計算しようとしている場合に問題となることがあります。この例では、平均を計算するための数式は次のとおりです。
平均値 = SUM([D1]) / SUM([D2])
最初の行は、2つのデータセットD1およびD2の平均を計算するために使用されます。2行目は、各データセットにおける合計を比較します。D1とD2におけるsumは以下のように計算されます。
合計 = AVERAGE(D1,D2)
これはこの例の平均を計算する正しい式で、その結果、正しい平均が得られます。
平均が正しく機能しない Excelが使用する計算式は、正しい答えを出すのに十分な精度を備えていないことがよくあります。これは、複数のデータセットの平均を計算しようとしている場合に問題となることがあります。この例では、平均を計算するための数式は次のとおりです。
平均値 = SUM([D1]) / SUM([D2])
この例では、各データセットにおける平均は次のように計算されます。
平均値 = AVERAGE(D1,D2) / SUM(D1)
この例では、D1 と D2 の平均は次のように計算されます。
平均値 = SUM(D1) / SUM(D2)
これにより、数式は意図したとおりに動作します。2つ目の問題は、各データセットの合計を比較すると、常に最初のデータセットの合計と全く同じ結果になることです。この例では、D1におけるsumは次のように計算される。
合計 = AVERAGE(D1,D2)
したがって、D2の和は、次のように計算されます。
Sum = AVERAGE(D1,D2) * SUM([D1])となります。
これは正しくありません。これにより、D1 の合計は以下のように計算されます。
Sum = SUM([D1]) / SUM([D2])
したがって、D1のsumは、次のように計算されます。
Sum = AVERAGE(D1,D2) / SUM([D1])となります。
この結果、間違った結果が得られます。再び、両方のデータセットの合計は、このように計算されました。