近年、オンラインゲームに関する消費生活相談は増加の一途をたどっています。
消費者庁が2022年6月29日に公表した「オンラインゲームに関する消費生活相談対応マニュアル」によると、20歳未満の高額課金に関する相談が増加しているとのことです。
マニュアルでは具体的な相談内容も紹介されており、主に
「未成年者が親のクレジットカードでオンラインゲームに高額課金された」「未成年者が現金を持ち出し、コンビニでプリペイドカードを購入してゲーム代金を支払った」
などの事例が挙げられています。
私自身、ゲーム依存症が疑われるお子さんの相談を受けたこともありますし、お子さんが親の知らないところでゲームに多額のお金をかけていたことがわかり、ゲーム依存症の相談に来られるご家族もいらっしゃいます。
また、大人がゲームにお金を使うのをやめられず、借金を背負ってしまうケースもあるようです。
高額なゲーム課金の背景には、ゲームに熱中しすぎるなどの依存症的な行動があるかもしれません。
最近では、無料でゲームを始められ、より高度なサービスを受けるには課金が必要な「フリーミアム」形式のゲームも多く作られています。
これはゲームを始めるハードルを下げる一方で、ゲームを進めるためにアイテムやステータスを購入しなければならない、という感覚をプレイヤーに与えてしまいます。
多くのオンラインゲームでは、プレイヤーは仲間とコミュニケーションをとり、相手より優位に立ち、装備やアイテムをうらやましがられることで、課金を促す可能性があります。
これらのことから、ゲームの課金とゲーム中毒は、ゲームの仕組み上、相互に関連している可能性が高いと考えられます。海外の研究では、ゲームに課金する人は、課金しない人に比べて、ゲームへの依存度が高く、プレイ時間が長く、使用端末が多く、様々なオンラインゲームをプレイしていることが報告されています。
高額課金につながるスマートフォンゲームの代表的なものに、課金型の「ガチャ」ゲームがあります。ガチャはランダムな景品なので、1回ガチャを回せば即座に欲しいアイテムが出るとは限りません。しかし、1回のガチャの値段が安いため、プレイヤーは欲しいアイテムが出るまでプレイし続け、結果的に高額課金につながるケースもある。
このような報酬がランダムなガチャシステムは、ギャンブルと似ています。実際、ギャンブル依存度の高い人ほどガチャにお金をかけていることが分かっています。また、ガチャには、スロットマシンで勝ったときに発せられる効果音や音楽、光の演出と同様に、刺激的な音や光の演出を伴うことが多いことも指摘されている。
射幸心を煽るガチャなどは制限を設ける必要があると思いますが、利用者側もしっかり意識を持って取組したいですね。